ぷにぷに動くできもの 脂肪腫について
脂肪腫(しぼうしゅ)とは名前の通り脂肪細胞が分裂している腫瘍(できもの)のことです。
脂肪腫の特徴
脂肪腫とは気が付かれにくいですが実は幼少期からあることが多く、ゆっくり大きくなっていくため40-50代くらいになって気が付かれることが多いといわれています。女性にやや多く、肥満体型の方にできやすい傾向があるといわれています。
脂肪腫のできやすい場所
背中や肩の近く、首のできることが多いといわれております。
脂肪腫は取らないとだめですか?
大きさがこぶし大を超えるようなものは悪性腫瘍との区別が必要になることがありますが、基本的には良性のできものですので急ぐ必要はないと思われます。ただ、大きくなってから摘出するより小さいサイズのときに切除するほうが傷跡も体への負担も少なくなるため早目の摘出をすすめております。手術は保険適応で可能です。
脂肪腫の取り方
こぶし大くらいのサイズでくりくりと動きやすい脂肪腫は局所麻酔で日帰り手術で十分に摘出できます。一方で大きさはあまり大きくなくても筋肉とくっついている場合や筋肉の下にある場合は全身麻酔で切除することがあります。おでこにできる脂肪腫は前頭筋の下にできることがありますが、こちらは局所麻酔で摘出することが可能です。
脂肪腫の大きさよりも小さい切開線で摘出できることが多いですが、周りと腫瘍がくっついている場合には切開線が少し大きくなることがあります。腫瘍を摘出したあとは中に空洞ができて血液などが溜まることがあるためドレーンといってストローのようなシリコンでできたチューブを数日いれておくことがあります。切開した傷は丁寧に縫合し、7日程度で抜糸します。傷跡は3-6か月程度は目立ちやすいですが、次第に周囲となじんでいきます。術後は傷跡のテーピングも重要です。
多発する脂肪腫もある?
体の至るところに大小さまざまな大きさの脂肪腫が多発することがあります。これは遺伝の要因も指摘されており、押すと痛みもあることがあります。痛みがある場合は血管脂肪腫というタイプの脂肪腫の可能性があります。
脂肪腫はガンになるの??
脂肪腫が悪性化することは稀ですが、脂肪腫に似たできもので悪性のものがいくつか存在するため気が付いたら病院受診をされることをおすすめ致します。