どこにでもできるできもの 粉瘤について
粉瘤(ふんりゅう)をご存じでしょうか?顔や背中、お尻など体のいたるところにできる良性の腫瘍(できもの)です。
粉瘤とはいったいなんのでしょうか?
簡単にいうと本来皮膚の表面にあるものが何らかの原因で皮膚の少し深いところにめり込んでしまい、中に袋を形成したものです。袋は皮膚の成分と同じなので中に角質(あか)が溜まってしまいます。あかはどんどん溜まっていくので大きくなることがほとんどですが、稀に自然に消えることもあります。
粉瘤はとったほうがいいの?
とよく聞かれます。
粉瘤が何度も感染したり、サイズが大きく放置されていたものは稀にガン(有極細胞癌や扁平上皮癌)になると指摘されているため切除したほうがいいと思われます。基本的にはゆっくり大きくなっていくことが多く、小さいうちに切除しておくほうが傷跡も小さくて済むので早めに気が付いたら病院へいくことをおすすめします。
粉瘤の取り方
粉瘤は夏場など汗をかきやすい時期などに感染を起こすことがあります。夏場ではなくても自分の体の反応で炎症を起こすことも指摘されております。粉瘤が赤く腫れあがって痛みを伴う場合には抗生剤の内服や塗り薬、皮膚の一部を切開することで中に溜まった膿を外に出す必要があります。一度感染を起こしてしまうと中の袋が分からなくなってしまうので感染が落ちついてから改めてきちんと手術で摘出することが必要となってきます。
粉瘤が感染していない場合には皮膚の一部を含めて粉瘤を袋(嚢腫)ごと摘出する必要があります。手術では十分に局所麻酔を投与するため痛みはありません。粉瘤の摘出方法に関してですが、小さい腫瘤の場合や顔などにできた場合にはくりぬき法といって小さい3mm程度の穴をあけることで粉瘤を摘出することもありますが、くりぬき法はきちんと袋を取りきらないと再発することがあるため注意が必要です。一般的には粉瘤は皮膚と一体となった腫瘍であるためしこりの上の皮膚も紡錘形(舟形)に一部付けて切除することが多いです。粉瘤が大きい場合にはドレーンといって粉瘤があった部分が空洞になって血液などが溜まってしまう可能性があるためドレーンという管を入れることもあります。(手術中に判断して入れることが多いです)
いずれにしても粉瘤の手術は日帰りで終わります。形成外科では皮膚のしわの方向なども考えてなるべく傷跡が目立ちにくい方法で摘出を行っております。
しこりができてきたらまず放置するのではなく早目の受診をするようにしましょう。